骨粗鬆症の治療薬と歯科治療
- ブログ
当院HPをご覧いただきありがとうございます。
皆さんはこれまでに「骨粗鬆症の治療薬を飲んでるから抜歯できない」
と言われたことはありますか?
抜歯後の治癒不全・顎骨壊死のリスクのためにそのような対応をしていたのですが、
歯科でのこの対応は今は変わってきているのはご存じでしょうか?
今日は骨粗鬆症の治療薬を服用しておられる方の歯科治療についてお話ししたいと思います。
【従来の考え方と歯科の対応】
従来の考え方は
・『ビスホスホネート製剤』という骨粗鬆症の薬を服用している。
・歯科治療で抜歯を含む手術をうける。
この2つの条件がそろうと治癒不全や顎骨壊死が起こるというものでした。
正しくは、「この2つの条件が重なると顎骨壊死が起こることがあるらしい…」というものでした。
なぜ起こるのかというメカニズムが判明しておらず、
『どうも関連性があるようだ』ということしかわかりませんでした。
そこで、歯科分野では安全策として抜歯などの歯科の手術を避けたり、
服用中のお薬を抜歯術の前後に合計半年ほど休薬するなどして対応してきました。
この対応が変わってきています。
【新しくわかってきたこと】
低用量ビスホスホネート製剤の投与を受けている場合に
慎重に施術すれば顎骨壊死を生じることは少なく、
むしろ抜歯が必要な歯を抜歯せずにそのまま残しておく方がリスクを上げる。
ということがわかってきました。
ここでいう抜歯が必要な歯とは、
「歯周病でグラグラの歯」や「歯茎の中で化膿している病巣の原因歯」
などの感染を伴う歯科疾患の原因歯の事を指します。
それらの歯を残しておいた方がリスクが高まるという事です。
このことから、顎骨壊死は…
・『ビスホスホネート製剤』や『デノスマブ製剤』による治療歴がある。
・顎骨への感染が生じる。
これらの条件で顎骨壊死のリスクが高まると考えられるようになりました。
【これからの歯科での対応】
- 抜歯などの外科的処置は可能な限り骨吸収抑制薬投与前に終えておくこと。
- 投薬治療開始後に歯科治療で外科処置が必要になった場合は術前・術後に抗生剤を服用しリスクを下げる。
これらの対応により薬剤関連顎骨壊死を起こす可能性を下げることが出来ます。
しかし、リスクがゼロになるわけではありません。
日ごろからしっかり歯磨きをして定期検診を受けることで、
抜歯などの処置を受けなくて済むようにすることが良いでしょう。



